嘘のように恵まれた天気、食事、部屋。まさに強運夫婦。笑


ご無沙汰してしまっております。夏もほぼ終わりにさしかかりましたね。皆さん、今年の夏はどんな思い出を作られましたでしょうか?

私は、遅い夏の思い出づくりに、8月に誕生日を迎えた妻のお祝いも兼ねて、那須高原に2泊3日の旅行に行ってまいりました。今回は結婚して初めてレンタカーを借りて、那須塩原まで新幹線で出てから現地での移動を自由にするために車を使いました。妻も私の運転に乗るのは初めてとあり少々緊張していたみたいですが、私は、こと運転にかけては自信があるのです。免許はもちろんゴールドです。

さておき、今回の旅の目的も、やはり第一は日常を忘れてリラックスすること。2泊する時間が得られたので、中に丸一日の余裕があります。レンタカーを借りたのもそれ故ですが、観光に興味のない私たち夫婦ですので、とにかくほぼ無計画。車でどっか行ければいいよね、くらいにしか考えていませんでした。色々と計画を立てることで、旅が仕事のようになってしまっては意味がありません。無計画にこそ意味があるのですから。

それでも何もせずホテルでぼーっとしているもの性に合いません。ひさびさに自然の中に飛び込んだわけですから、私としては大自然を写真に撮りたい、妻はとにかく自然を満喫したい、と、お互いの目的もほぼ一致しましたので、では温泉郷に行ってみよう、と車を駆り出しました。そこに山間に流れる川や滝があることを知ったのです。それを見に行くことにしました。

天気は朝から下り坂。しかし私は不安に思っていませんでした。天気に関しては、異常なほどに運が強いのです。きっとなんとかなる、とその日も信じて疑いませんでした。車でホテルから40分ほどの塩原温泉郷まで向かう途中で、雨が降ってきました。それでも私はへっちゃらです。そして滝への遊歩道の入り口を偶然にも見つけ、それっと車を止めて、歩いてみよう、と準備を始めた瞬間に、嘘みたいに雨が止み、空が明るくなったのです。ほーれ、と私は得意顔です。

そして車道からいきなり山に入り、遊歩道を登り降り進んで行くと、いつしか周りは木に囲まれてきました。その頃には、木々を抜けて光が差し込む程に天気は回復していました。私はフィルムでテストをしたかったレンズを一本だけつけたハッセルを三脚に据えたままで肩に担ぎ、そのほかは予備のフィルムと露出計、サブのGRのみをトートに入れてえんさか進んでいきます。妻も興奮気味に、ところどころ立ち止まっては写真を撮っています。私は、いい滝に出会えるか胸を躍らせていました。

しばらく進むと、はやくも川の流れに出会いました。いい川です。きっと滝は近い、とずんずん進んでいきました。すると、急に木々が開け、大きな川の支流があらわになり、その奥に滝の音が聞こえてきました。やった、とばかり進んでいきます。そして、写真のような素晴らしい滝に出会えたのです。久しぶりに感動いたしました。

私がテストに用いたのは、妻に無理を押し付けて購入した超広角の40mmレンズ(35mmカメラ換算で21mm)。周辺収差の補正機能つきの高級レンズを格安でオークションで落としました。が、広角すぎて東京の街並みには合いません。こうした場面で使える日をずっと待っていたのです。ファインダーを覗くと、まさに思い描いていた絵がそこにありました。興奮は絶頂に達しました。

私は一度に多くのフィルムを使うタイプではありません。本当に納得した構図や条件が揃った時にだけ、大切にシャッターを切ります。それでも、滝付近だけで3本のブローニーフィルムを使いました。およそ15カット分です。これだけ撮れたらもうお腹いっぱいになってしまいます。ご満悦になり、妻とも記念写真を撮ったり一緒に石を積み上げて記念碑を作ったりしました。

そして、妻も私もすっかり満足してきた道を戻り、車に乗った瞬間、その瞬間に雨が降り始めました。これには妻も驚いていました。やがて雨は大雨に変わり、とても外を歩ける状態ではなくなりました。まさに神様がくださった1時間ほどの貴重な時間。大きな思い出となってこの旅行を特別なものにしてくれました。

パン好きの妻も石窯焼きで有名なパン屋を見つけることができてご満足。さらに、その日のホテルの部屋は、ご厚意で妻のためにアップグレードしてくださった専用露天温泉つきのスィートルーム。もう至れり尽くせりですね。妻もとても満足してくれたようで、私としてはそれが一番の喜びです。

さて、フィルムの現像、プリントはこれからですが、どんな写真に仕上がっていることでしょうか?

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