【自己紹介に代えて】妻よありがとう


「1+1 は無限大にもなる」とフランス語で刻印されたペアリング

サイトのリニューアルを機会に、これまでの作品は一応残すものの、ブログ等は全て削除することにしました。
ここからが、私の新しい人生の始まりだと感じているためですが、その理由はいくつかあります。

私ごとで恐縮ですが、何よりもまず、妻である加代子に出会ったことです。
妻もかつてはカメラマンとして長い年月活躍してきたということもありますが
それ以上に私の伴侶として私の活動を影で支えてくれています。

妻と出会ったとき、私は生活保護を受けていました。その日の食事にも困る状態でした。
妻と結婚するということは、生活保護が打ち切られるということでもあり、
一度は決裂したつもりの社会生活に戻らなければならない、という現実がありました。

しかし、私には少しの不安もありませんでした。
この人を幸せにするためなら、なんだってできる、という根拠のない自信がありました。

それが果たして実践できているのか、まだ答えは出ていません。
きっと何年も経った時にふたりで振り返って、理解できるものなのでしょう。

妻と出会って、まず行ったのは、クラウドファンディングでした。
生活保護を受けるような自分でも、作品で世界に挑戦できる。ということを証明したかったのです。そのためにはどうしても資金が必要でした。

その活動の中で妻に紹介された人は、今私のスポンサーとして、写真活動を支えてくれるに至っています。
写真を始めて20年ののちに、ようやくプロの作家となれたのです。

そしてそれまで取り組んでいたデジタル写真の創作をばっさり切り捨て、
20年前に学んだ最初の技術であるフィルムを使ったモノクロ銀塩写真に立ち返りました。

40も半ばにして、ようやく「自分の写真」とは何か、に気づけた気がします。
それが、現在創作中の「fairy」シリーズです。
スポンサーの支援を借りて、撮影のための機材を一新し、プリントもレンタル暗室で自分で行なっています。
そして作品がまとまったら、個展や出版に、再び取り組もうと画策しています。

こうした出会いや決心が生まれたのも、いま創作を続けられるのも、生活そのものが成り立っているのも、すべて妻のおかげだと思っています。
それに対して私はどうやって恩返しができるだろう、と常々考えますが、きっと妻によって与えられたチャンスをきちんと生かし、
成果を生んでいくことが何よりの恩返しになるだろうと精進しています。

付け加えると、クラウドファンディングの最中、多くの人から意見をいただいたり自証したりしたりした結果として、
障害者の、特に理解されにくい精神障害者の社会活動を応援する「Red Rose」運動が生まれました。

精神障害とは何か、というところから啓蒙活動を行い、ひいては精神障害者の雇用機会の拡大と、安定した就労の支援を行う運動で、
すでに賛同くださっている方からの支援も借りて、事業化へと進んでいます。

この活動が生まれたのも、ここまで発展できたのも、くどいようですが妻のおかげだと感じています。
妻は良き理解者として、私の背中を支え、押し続けてくれています。

自己紹介に代えて、などと銘打って大したことも書いていませんが、
妻なしにいまの生活は成り立たなかったことを公言し、自分への戒めとして肝に銘じるつもりで書きました。

来月には、長く計画してきた新婚旅行として、スペインのアンダルシア地方を回ってきます。
その様子は、今後のこの場にて、皆さんにも共有させていただけたらと存じます。

初回のブログから長くなりましたが、お読みくださってありがとうございます。

今後とも、成瀬功の作品と人生にご注目いただけたら、望外の幸甚です。

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